2019年上半期面白かった本3冊

普段上半期という単位で振り返ることはやらないが、試しにやってみる。 上半期はコミック合わせて178冊読んだらしい。読んで面白かった本を3冊ほど紹介してみる。

https://booklog.jp/users/gennei/chart/2019/total

流用アート論: 一九一二―二〇一一年

2018年末に鑑賞したマルセル・デュシャンの『泉』がなぜアートになるのかとても気になっていた。その解説本として読んだ。 ここ100年の現代アートの内容がわかりやすくまとめられておりとても読みやすくいい本であった。新品で買うのが難しく図書館で借りて読んだ。

解説者の流儀

今ではサッカーファンのなかで戸田和幸の解説はとても評判がよい。彼が選手のときサンフレッチェ広島でのプレーを見たときはそんなに頭のいい選手には見えていなかった。もちろん自分の見る目がなかっただけだが。
彼が引退した後解説者になるためになにをしたのかを書いた本。1試合解説するための各チームの前3試合を見るとか、ピックアップするシーンは得点シーンではなく、試合のキーとなるプレイを選ぶようにしているなどとても勉強になった。真似してみようと思ったが、普段仕事しながら別の趣味があり、その中で3試合見るのはとても難しいことだとわかった。

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

タコの心身問題。最初はタコは痛みを感じるぐらい賢いので食べてはいけないという話をしている本なのかなと思っていたがそんなことはなかった。
タコには心が複数あるという本だった。原題は『other minds』なので複数の心があるという本。複数の心があるということはどういうことか。人間であれば手足が勝手に動くということであるというような話がのっていた。タコの生態系はとても興味深い。


そのほかにも「ゲームの企画書」シリーズや、再読した『エンジニアリング組織論への招待』、読書会で読んだ村上春樹『風の歌を聴け』、オースティン『高慢と偏見』、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』などいい本がたくさん読めた上半期だった。

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『21世紀のブランドを創る 「星乃珈琲店」誕生物語』を読んだ

『21世紀のブランドを創る「星乃珈琲店」誕生物語』を読んだ

あらすじ

だから、私は「星乃珈琲店」を立ち上げた。創業から35年目にして初めて対前年比100%を切った。翌月には85.5%まで落ち込んだ。私は逆転の発想、新たな可能性に思い当たった。準備されたシナリオどおりに事を進めたのではなく、どのように風を読んできたか、いかに市場に聞きながら、微調整をしてきたかの物語。

openbdより

感想

ある時期から新宿でとても目につくなあと思っていたがあっという間に100店舗超えていた。現在新宿だけで4店舗もあった。どのようにして星乃珈琲店の店舗を展開していたのか以前から疑問があったのでこの本を読んだ。 日本レストランシステムは多くのブランドを手がけている。

主なブランド

  • 洋麺屋五右衛門
  • OSLO COFFEE
  • 卵と私
  • 安心・安全・健康 さんるーむ
  • 牛たん焼き 仙台辺見
  • etc…

ブランド紹介 | 日本レストランシステム株式会社より

日レスは不景気のときに土地を買い、そこに自社グループの店舗を出店している。そのため、大きな赤字を出している店は閉店し、別の業態のお店を出店することができる。星乃珈琲店は赤字で困っているお店の代わりに出店していた。失敗しても、もともと赤字のため大きな損失ではないようだ。出店のためのコストは掛かっているだろうがリスクをとらないと新しい利益を得ることができないからだろう。

星乃珈琲店はコーヒーの味を大事にするブランド、コーヒーファーストのブランドだと書かれていて、その味をどのように決めるのかとても疑問に思ったが、会長の大林氏の好みで決めたようだ。コーヒーは嗜好品であり、最大公約数を狙っても仕方がないという理由だ。大事な決定をトップが独断で決めれるのはとても大きなことだなあと思った。

あと、借地借家法のこと全然知らなかったので面白かった。法改正があり、貸し手が強くなった。定期借家での契約になり契約が満了した場合は更新するかどうかは貸し手側が決めることができる。そうなると、内装にコストをかけて長期でお店を開けたくても開けれない。また、契約が切れるときには原状復帰を求められるので飲食店は向かないとのこと。

このような知識はなかったので今後ショッピングモールの飲食店の見方が変わりそうだ。 思い出してみると、ショッピングモールにドトールコーヒーが入っているのを見ないようなきがする。コーヒーショップの多くはスターバックスとタリーズコーヒーだ。また、ドトールの客層が違うからというのもあるのかもしれない。

星乃珈琲店のメニューはかなりの頻度で入れ替わっているのも面白かった。新店舗をオープンするときに新しいメニューを試し反響が良ければ他の店舗に展開する。また、同じグループのレストランのノウハウがあるため一からメニューを考えなくても上手に作るノウハウがあるところも面白い。小さく試して大きく展開するのはどの業界でも通じるのだと思った。

星乃珈琲店のスフレパンケーキを久しぶりに食べたくなった。

関連リンク

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『スクリプトドクターのプレゼンテーション術』を読んだ

『スクリプトドクターのプレゼンテーション術』を読んだ

内容紹介

マーケティングや資料作りの話はいっさいナシ。
革新的で本質的なプレゼン術!

脚本家/映画監督/脚本のお医者さん=「スクリプトドクター」/心理カウンセラーの筆者による、まったく新しいプレゼン指南書。
TBSラジオの人気番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で披露してきた数々の名プレゼン、その極意に迫る!

聴き手をジャガイモと思い込んではいけません/プレゼンとは人数に関係なく「対話」である/自己開示こそがプレゼンの真髄/ポップスの「転調」にヒントを得て/自分を疑うことで「他人の眼差し」に近づいていく/怒っているように見えるひとは実は傷ついている/空気を読もうとすると自分の役割を見失う/あなたの資質は「グランプリ」なのか「審査員特別賞」なのか? など……

openbdより

感想

プレゼンテーションに関する本を本屋で探すと多くの本は、「綺麗なスライドの作り方」、「喋る内容の構造」、「話し方」などを解説した本がたくさんある。しかし、この本はプレゼンテーションとは何かということについて書かれている。

この本ではプレゼンテーションを「自分の思いを伝えること」だということを出発点に、どのようなときには伝わる/伝わらないかを話している。伝わらない原因としては「緊張してしまったりアガってしまったり」することが理由の1つに挙げられる。著者はアガってしまう原因は話し手の自意識が問題でありそれを克服すれば緊張はするがアガってしまうことはないと言っている。他にもなぜ伝わらないのかという話をしているが多くのページをこの話に割いている。

この本を最後まで読んで思ったのは、自分はどういう人間かという認識を絶対化してしまうととても苦しくなり、いろんな手段を用いて自分の認識を相対化するかということに尽きると思う。それはプレゼンテーションのときだけではなくもっと汎用的なことであると思う。

なんとなく生きにくい、コミュニケーションが辛いと思っている人が読んだらなにかの助けになるかもしれないと思った。

関連リンク

『わかばちゃんと学ぶGit使い方入門』を読んだ

最近エンジニアではない職種の方にGitの使い方を教える機会が何度かあった。

普段見ないであろう、背景が黒くて(mac の標準のターミナルは白だが)文字しか表示されていないターミナルで教えるのだがこれが難しい。 普段からターミナルを使っている人であれば、コマンド操作で何ができるのか、何ができると便利なのかということはわかっていたりする。しかし普段からCUIではなくGUIで操作をしている人から見れば謎の暗号が画面に表示されていて、映画のクラッキングのシーン or マトリックスで観たような画面が表示されているように見えているのであろう。

そういう人に対して、Git とはなにか、Git と Github は何が違うのか、git commit -mgit checkoutgit pull、などを短時間で教えるのはとても難しい。 もちろんGitの入門本は存在するし読んでもらうのもいい。代表的なところだと 『GitHub実践入門』『入門Git』 などがあるだろう。しかしこのような本でもターミナルで操作するこを前提としており、ターミナルの操作を独学するのはとてもハードルが高い。エンジニアには『GitHub実践入門』を渡しておけばいいだろうと思っているが、そうではない人には何を使ってもらえばいいだろうか今まで悩んでいた。

最近、『わかばちゃんと学ぶGit使い方入門』 という本が発売していた。内容はTwitterで見かけたことがあったのでなんとなくは知っていた。そしてGitの使い方で困っていることはないので読む必要はないかなあと思っていた。しかし最近使い方を教える機会が増えたのでなにか入門本に適切ではないかと思い勧めるようになった。

実際読んでみるとイラストでバージョン管理の必要性や、GitとGithubの違い、ブランチ操作などが説明されておりとてもわかりやすい。SourceTreeの使い方の紹介があるのでターミナルでの操作を覚える必要がないのもいい。最初にGitを使ってもらうためのハードルがとても下げられている。

バージョン管理とはなにか、Gitとは何かを説明するにはとてもいい本でした。

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